はじめに
Claude Codeを仕事で使い始めて、こんなことに困っていないでしょうか。
- 「見積書の金額は税込で」と伝えたのに、次の日の会話ではまた税抜で書いてくる
- CLAUDE.mdに書いたはずの決まりを守ってくれない
- 「覚えておいて」と頼むと「Saved 1 memory」と出るが、どこに保存されたのか分からない
- 自分用に覚えさせたことが、同僚にも見えてしまわないか気になる
Claude Codeには、CLAUDE.mdを置く場所として、ユーザー(このパソコンのすべてのプロジェクトで読まれる場所)、プロジェクト(Gitなどで同僚と共有されるファイル群)、ローカル(このパソコンのこのプロジェクトだけで読まれる場所)などが決まっています。Claudeが自分で書くメモ(auto memory)にも、別の保存先があります。上のような困りごとは、この置き場所を把握しないまま書いているために起こります。
ホームとプロジェクトの保存先
Claude Codeが読むファイルは、ホームフォルダに保存されるものと、プロジェクトのフォルダに保存されるものに分かれます。ホームフォルダは、Macなら /Users/ユーザー名、Windowsなら C:\Users\ユーザー名 のフォルダで、この記事では ~ と書きます。プロジェクトは、Claude Codeを起動する作業フォルダのことです。次の図は、yamadaさんが work の中の mitsumori というフォルダでClaude Codeを使っている例です。
Macの場合
Finderは名前が . で始まるフォルダを表示しません。ホームフォルダを開いて、Command、Shift、. の3つのキーを同時に押すと、.claude が見えるようになります。
Windowsの場合
エクスプローラーのアドレス欄に %USERPROFILE%\.claude と入力すると、ホームフォルダの .claude を直接開けます。
保存されるファイル
| 場所 | ファイル | 中身 |
|---|---|---|
| ホーム | ~/.claude/CLAUDE.md | あなたが書く決まり。どのプロジェクトでも読まれる |
| ホーム | メモ(projects/…/memory/ の中) | Claudeが自分で書くメモ。プロジェクトごとにフォルダが分かれる |
| プロジェクト | CLAUDE.md | このプロジェクトで守ってほしい決まり |
| プロジェクト | CLAUDE.local.md | このプロジェクトで、自分だけが使う決まり |
メモはプロジェクトごとに分かれていますが、ファイルはホームの .claude の中に作られ、プロジェクトのフォルダには何も増えません。
同僚や別のパソコンに届くもの
プロジェクトのフォルダをGitなどで共有すると、中の CLAUDE.md も同僚や別のパソコンに届きます。CLAUDE.local.md は .gitignore に書いて共有から外します。ホームに保存されるものは、このパソコンの中にしかありません。
- ① このパソコンのすべての作業:
~/.claude/CLAUDE.md - ② このパソコンの、このプロジェクト:
CLAUDE.local.mdとメモ - ③ このプロジェクト、どのパソコンでも:プロジェクトの
CLAUDE.md
覚えさせたいことがあったら、まず①②③のどの範囲で読まれてほしいのかを決めます。範囲が決まれば、書くファイルも1つに決まります。
CLAUDE.mdとメモの違い
CLAUDE.mdはあなたが書く決まりで、ファイルの全部が会話の始めに読まれます。メモは、会話の中で分かったことをClaudeが自分の判断で書き残すものです。会話の始めに読まれるのは目次のMEMORY.mdだけで、メモ1件ずつのファイルは、Claudeが関係があると判断したときに開きます。
頼み方と保存先
「覚えておいて」と頼むと②のメモに、「CLAUDE.mdに追加して」と頼むと③のプロジェクトのCLAUDE.mdに入ります。同じ内容でも、行き先によって同僚に届くかどうかが変わります。
何も頼まなくても、あなたが同じ間違いを指摘したときや作業の手順を教えたときなど、次の会話でも役に立つとClaudeが判断したことはメモに入ります。保存すると、画面に「Saved 1 memory」と表示されます。
メモの中身
目次のMEMORY.mdには、メモ1件につき1行で何のメモかが書かれ、1件ずつのファイルには上の図のように内容と理由が書かれます。普通のテキストファイルなので、あなたが開いて書き換えることもできます。
読み込まれる順番と優先
Claude Codeを起動したフォルダ(ここではcurrent_projectと呼びます)を中心に、外側のパソコン全体、ホームフォルダ、親フォルダから順に読んでいきます。
- パソコン全体:会社の管理者が配るCLAUDE.md。置かれている場合だけ読まれます。
- ホームフォルダ:①の
~/.claude/CLAUDE.md - 親フォルダ:current_projectより上のフォルダのCLAUDE.md。
~/work/CLAUDE.mdに置くと、workの下のプロジェクトすべてで読まれます。 - current_project:③の
CLAUDE.md - current_project:②の
CLAUDE.local.md - ホームフォルダ:②のメモの目次
MEMORY.md(先頭200行か25KBまで)
公式ドキュメントでは、1から5は広い範囲から狭い範囲への順と説明されています。6のメモは、この記事で便宜上6番にしました。公式ドキュメントには、1から5に対してどの順で読むかは書かれておらず、会話の始めに読まれることだけが書かれています。
current_projectの中のサブフォルダにあるCLAUDE.mdは、会話の始めには読まれず、Claudeがそのサブフォルダのファイルを開いたときに読まれます。
食い違う指示の扱い
後のファイルが前のファイルを上書きすることはなく、全部のファイルがつながって1つの文章としてClaudeに渡ります。①に「返信は短く」、③に「返信は詳しく」と書いてあると、Claudeはどちらかを選んで従い、どちらが選ばれるかは決まっていません。公式ドキュメントも、ファイルどうしで矛盾しないように見直すことを勧めています。
CLAUDE.mdとメモの間でも同じです。CLAUDE.mdを書き換えたときは、食い違う古いメモが残っていないか確かめてください。
また、CLAUDE.mdもメモもClaudeに渡す指示の文章なので、必ず守られるとは限りません。特定のフォルダを消させないといった、どうしても守らせたいことは、設定の permissions.deny やhooksで止めます。
使いたい範囲ごとの書き場所
| 覚えさせたいこと | 書く場所 |
|---|---|
| 見積書の金額は税込で書く(会社の決まり) | ③ プロジェクトの CLAUDE.md |
| 社外向けの文書では社名を正式名称で書く | ③ プロジェクトの CLAUDE.md |
| 自分の確認用の資料はこのフォルダにある | ② CLAUDE.local.md |
| 取引先Aの担当者は月曜に連絡がつきにくい | ② メモ |
| 返信は日本語で、要点から書く(自分の好み) | ① ~/.claude/CLAUDE.md |
CLAUDE.local.mdとメモの使い分け
自分だけの決まりは、どちらにも入れられます。自分で文面を決めて毎回読ませたいなら CLAUDE.local.md、作業の中で分かった細かいことをClaudeに任せたいならメモ、と分けると迷いません。
自分の好みを複数のパソコンでそろえる
~/.claude/CLAUDE.md はパソコンごとに別のファイルで、公式ドキュメントには複数のパソコンでそろえる機能は書かれていません。各パソコンにコピーするか、クラウドで同期しているフォルダに好みのファイルを置き、各パソコンの ~/.claude/CLAUDE.md に @ で始まるパスを1行書いて読み込ませます。
@~/Dropbox/claude/my-preferences.md
メモはパソコンをまたげません。別のパソコンでも使いたいことがメモに入っていたら、Claudeに「このメモの内容をCLAUDE.mdに移して」と頼んで、CLAUDE.mdに移します。
覚えた内容の確かめ方と直し方
Claude Codeの入力欄に /memory と打つと、CLAUDE.mdの一覧と、メモのフォルダを開く項目が出て、選んだファイルがエディタで開きます。会話の始めに実際に読まれたファイルは、/context と打つと出る「Memory files」の一覧で確かめられます。
ファイルを開かずに、Claudeに聞いたり直させたりすることもできます。
このプロジェクトについて覚えていることを、CLAUDE.mdとメモに分けて一覧にしてください。
「見積書は税抜で書く」というメモは間違いなので消してください。正しくは税込です。
パスワードのような秘密の情報は、メモに残らないように、そもそも会話で伝えないようにします。メモを使いたくない場合は、/memory の画面でauto memoryをオフにできます。オフにしても、それまでのメモのファイルは残るので、要らなければ削除します。
まとめ
- 保存先は、ホームの
~/.claudeとプロジェクトのフォルダに分かれる。メモはプロジェクトごとだが、置き場所はホームの~/.claudeの中 - 同僚や別のパソコンに届くのは、プロジェクトの
CLAUDE.mdだけ。自分の好みは~/.claude/CLAUDE.mdに書き、パソコンをまたぐなら各パソコンでそろえる - 会話の始めに広い範囲から順に読まれ、全部つなげて渡される。上書きはされないので、食い違う指示を書かない
- メモはパソコンをまたげない。残したいことはCLAUDE.mdに移す

