はじめに
11月に入ってから、NotionのAIまわりで次のようなことが気になっていませんか。
- 設定に「Standard」「Select」というクレジットが出るようになったが、違いがわからない
- 会議メモやAIのチャットを使い続けると、月の途中でクレジットがなくなるのか知りたい
- Claudeにも料金を払っているので、Notionの作業はClaudeからやれば足りるのではと思っている
どれも、NotionのAI利用を数える単位が変わったことから来ています。Notionは2026年11月2日から、既存のワークスペースのAI利用を、メンバーごとのクレジットの残高で数えるようになりました。ビジネスプランとエンタープライズプランでは、1人あたり毎月Standardが1,500、Selectが500付きます。残りは翌月に繰り越されません。
クレジット制の中身
Notionの公式ブログによると、新しい仕組みは新規の顧客には10月19日から、既存の顧客には11月2日から適用されています。クレジットは2種類あり、使われる場面が違います。
| Standard | Select | |
|---|---|---|
| 使われる場面 | Notionがモデルを選ぶ作業。エージェントを「Auto」で使うとき | 自分でモデルを選んだとき。カスタムエージェント |
| 1人あたりの月の量 | 1,500 | 500 |
| 繰り越し | なし(請求期間の初めに戻る) | なし |
| ほかのメンバーとの合算 | できない | できない |
クレジットが付くのはビジネスプランとエンタープライズプランです。料金ページでは、フリープランとプラスプランのNotion AIは「体験版」と書かれています。個人でプラスプランを使っている人には、月ごとのクレジットはありません。
どれくらい減るかの目安は、Notionクレジットのヘルプに載っています。単純な作業で約5、中くらいの作業で約10、複雑な作業で約25です。AIミーティングノートは12月からStandardを使うようになり、1時間の会議でおよそ10と書かれています。週に5時間会議を記録する人なら、ひと月で200前後になる計算です。
残りは「設定」→「Notion AI」→「使用状況」で見られます。少なくなったときと、なくなったときには通知が届きます。
なくなったとき
月のクレジットを使い切ると、次の請求期間で戻るまで待つことになります。管理者が許可していれば、ワークスペース単位で買う「Notionクレジット」で続けられます。この許可は初めは無効になっていて、管理者が「設定」→「Notion AI」で有効にします。料金ページでは、Notionクレジットは1,000クレジットあたり月額10ドルです。
クレジットを使う機能、使わない機能
Claudeを使っている人が知りたいのは、外のアプリからNotionを触ったときの扱いでしょう。AIクレジットの管理のヘルプには、接続済みアプリやNotion APIを普段使う分にはクレジットを使わない、と書かれています。同じヘルプに、接続済みアプリやAPIからエージェントを動かした場合はクレジットを使う、とも書かれています。
| 操作 | クレジット |
|---|---|
| Notionエージェント(Auto) | Standard |
| Notionエージェント(自分でモデルを選ぶ) | Select |
| カスタムエージェント | Select |
| Notionの中のClaudeエージェント(ベータ版) | 使う(カスタムエージェントと同じ数え方) |
| AIミーティングノート | 12月からStandard |
| 接続済みアプリ、Notion APIの普段の利用 | 使わない(レート制限はある) |
| 接続済みアプリやAPIからエージェントを動かす | 使う |
| ClaudeからNotion MCPでページを読み書きする | 公式に記述なし |
最後の行については、MCPのヘルプにもクレジットのヘルプにも記述がありません。クレジットのヘルプにはMCPという言葉が一度も出てこないので、MCPが接続済みアプリに含まれるのかは読み取れません。ただ、MCPからNotionのエージェントを呼び出した場合は、表の「接続済みアプリやAPIからエージェントを動かす」に当たりそうです。気になる場合は、MCPで作業する前と後で「使用状況」の数字を見比べると確かめられます。
Notionのヘルプには、Notion MCPと名前の似た機能も載っています。ビジネスプランとエンタープライズプランで使える、ベータ版の「Claudeエージェント」です。サイドバーの「エージェント」から作ると、Notionの中でClaudeに作業を任せられます。こちらは実行のたびにNotionクレジットを使い、自分のAnthropicのアカウントやAPIキーは使えません。Claudeエージェントのヘルプでは、MCPとは別のものだと説明されています。MCPはClaudeのアプリからNotionを読みに行き、ClaudeエージェントはNotionの中だけで動きます。
ClaudeからNotionを読み書きするNotion MCP
MCP(AIのアプリから、外のサービスを読み書きするための接続の仕組み)を使うと、ClaudeのチャットやClaude Codeから、Notionのページを検索したり、書いたりできます。Notionの開発者向けガイドによると、Notion MCPはすべてのプランで使えます。ゲストはつなげず、ワークスペースのメンバーだけがつなげます。
できること
対応ツールの一覧に載っている主な操作は次のとおりです。
| 種類 | 操作 |
|---|---|
| 探す、読む | ページの検索、ページの取得、最近のページやお気に入りの一覧、会議メモの検索 |
| ページ | 作成(データベースのテンプレートを使った作成も含む)、更新、移動、複製、ゴミ箱への移動 |
| データベース | 作成、ビューの作成と更新、条件での絞り込み |
| そのほか | コメント、20MiBまでのファイルのアップロード |
NotionのMCPのヘルプには、MCPのツールはつないだ人のNotionの権限をすべて使って動く、と書かれています。自分が消せるページは、Claudeからも消せるということです。
つなぎ方
Claude Codeでは、次のコマンドで追加してから、Claude Codeの中で/mcpを実行し、ブラウザでNotionへのアクセスを許可します。
claude mcp add --transport http notion https://mcp.notion.com/mcp
Claudeのアプリでは、コネクタの一覧で「Notion」を探して追加し、表示される画面に沿ってワークスペースへのアクセスを許可します。
エンタープライズプランでは、管理者が許可したアプリだけがMCPでつなげるように設定できます。会社のNotionで接続が拒否された場合は、この設定を管理者に確認してください。
Notion AIとClaudeの分け方
ClaudeとNotion AIの両方に払っている人は、作業の場所で分けると無駄が出にくくなります。
| やりたいこと | 向いている方 |
|---|---|
| 会議を録音して、メモと要約をNotionに残す | Notion AI(12月からStandardを使う) |
| データベースに入ったものを、決まった手順で毎回処理する | Notion AIのカスタムエージェント(Selectを使う) |
| 調べものや下書きをClaudeで進めて、結果をNotionに保存する | ClaudeとNotion MCP |
| Claude Codeの作業ログや仕様をNotionに書き出す | Claude CodeとNotion MCP |
Notionの中で完結し、毎回Notionのデータを読む作業は、Notion AIに任せたほうが楽です。考えながら進める作業は普段のClaudeでやり、結果だけMCPで保存すれば、同じ作業に二重に払わずに済みます。
プラスプランの人は、月ごとのクレジットがないので、NotionでAIを使い続けるにはビジネスプランに上げる必要があります。Claudeをすでに使っているなら、プランを上げる前にNotion MCPを試すと、Notion AIなしでどこまで足りるかがわかります。
ChatGPTを使っている人には別の道もあります。公式ブログによると、ChatGPTのPlus、Pro、Goを個人のNotionエージェントにつなぐと、StandardとSelectの代わりにそちらを使えます。カスタムエージェントは対象外です。Claudeのサブスクリプションをつなぐ仕組みはありません。自分のAIの鍵を持ち込む機能(BYOK)は、エンタープライズプラン向けにプライベートアルファで提供されている段階です。
Notionから移る場合
クレジット制をきっかけに、Notion自体を離れることを考えている場合は、先にデータを書き出しておきます。書き出しのヘルプによると、ワークスペース全体は「設定」→「一般」→「ワークスペースのすべてのコンテンツをエクスポートする」から、HTML、Markdown、CSV(データベース)で書き出せます。デスクトップアプリかブラウザでしか実行できず、最大30時間かかることがあり、届いたリンクは7日で切れます。書き出す人が見られないページ(ほかの人のプライベートページなど)は含まれません。
移り先として名前が挙がることの多いアプリを、ライセンスと、AIからの扱いやすさで比べると次のようになります。
| アプリ | ライセンス | 自分のサーバーで動かす | MCP |
|---|---|---|---|
| AppFlowy | AGPLv3 | できる | 公式サイトの法人向け機能の一覧に名前があるだけで、使い方の説明は見つからない |
| AFFiNE | MIT(Community Edition) | できる(Docker) | 公式サイトとGitHubに記述なし |
| Terminus Notes | 不明 | 不明 | 発表ではClaudeにつなげるとしている |
Terminus Notesは、2026年11月2日に作者のWinston Gaoさんが、Notionから「AIクレジットと分かりにくいサイドバー」を外したアプリとしてXで発表しました。無料で、オープンソースで、データを書き出せて、Claudeにもつなげるとしています。11月6日の時点で公式ページは「v0.0.1」で、データはTerminusのサービスの中に置かれます。ソースコードのリポジトリとライセンスは見つかりませんでした。
Notion AIをほとんど使っていないなら、クレジット制で困ることはあまりありません。Notionに残ってClaudeとMCPで補うのが、移行の手間がいちばん少ない選び方です。移るかどうかは、ビジネスプランの料金を、AIのために払っているのか、共有や権限の管理のために払っているのかで決まります。
まとめ
- Notionは2026年11月2日から、既存のワークスペースのAI利用をクレジットで数えている
- ビジネスプランとエンタープライズプランでは、1人あたり毎月Standard 1,500、Select 500が付き、繰り越されない
- 残りは「設定」→「Notion AI」→「使用状況」で見られる
- 接続済みアプリやAPIの普段の利用はクレジットを使わない。MCPについては公式に書かれていない
- Claudeを使っているなら、自分で進める作業はClaudeとNotion MCPで行い、Notionの中で完結する作業にクレジットを使う

