はじめに
Claude CodeやCodexに長い指示を打つのが面倒になって、声で話しかけたくなったとき、次のようなところで迷うはずです。
- Claude Codeの
/voiceを試したら、返事が声で返ってこなかった - Codexにも
/voiceがあるらしいが、Claude Codeと同じものなのかわからない - 日本語で話しても、英語として読み取られてしまう
- SSHでつないだ先では
/voiceが動かない
迷う原因は、声で使う機能に、音声入力と音声会話の2種類があることです。Claude Codeの /voice は話した言葉を入力欄に書く機能で、返事は画面の文字で読みます。Codex CLIの /voice は、声で話して、エージェントも声で返す音声会話です。
この記事では、2026年11月6日に両方の公式ドキュメントを読み、手元のClaude Code 2.1.319とCodex CLI 0.166.0で設定の画面と表示を確かめた内容をまとめます。マイクに向かって話す操作は試していないので、日本語の聞き取りの精度には触れていません。
音声入力と音声会話の違い
音声入力では、キーボードの代わりにマイクで文字を書きます。送る前に直せるので、ファイル名やコマンドのように聞き間違えると困る言葉が入る指示に向いています。
音声会話は、画面を見なくてもやりとりが続きます。そのぶん、エージェントが何を変えたかは最後に画面で確かめる必要があります。
| 名前 | 種類 | 返事 |
|---|---|---|
Claude Codeの /voice | 音声入力 | 画面の文字 |
Codex CLIの /voice | 音声会話 | 声 |
| ChatGPTのデスクトップアプリの音声チャット | 音声会話 | 声 |
| Aqua Voice、Superwhisper、OSの音声入力 | 音声入力 | 使うエージェントによる |
Claude Codeの音声入力
Claude Codeでは、入力欄で /voice と打つと音声入力がオンになります。使い方は公式ドキュメントのVoice dictationにまとまっています。
初めの設定では、Spaceキーを押している間だけ録音され、離すと止まります。押し続けるのがつらい場合は、/voice tap に切り替えると、1回押して話し始め、もう1回押すと送る形になります。オフにするときは /voice off です。
毎回打たずに済ませたいときは、~/.claude/settings.json に次のように書きます。
{
"voice": {
"enabled": true,
"mode": "tap"
}
}
Spaceキー以外で録音したいときは、~/.claude/keybindings.json で voice:pushToTalk に別のキーを割り当てます。ドキュメントでは、meta+k のように修飾キーと組み合わせたキーを勧めています。
日本語で使う設定
何も設定していないと、話した言葉は英語として読み取られます。日本語で話すには、/config で言語を日本語にするか、settings.json に次の1行を足します。
{
"language": "japanese"
}
この設定は、Claudeが返事を書く言語にも使われます。日本語で返事をもらっている人は、すでに設定済みかもしれません。
使えない場面
ドキュメントには、次の条件が書かれています。
- claude.aiのアカウントでログインしていること。APIキー、Amazon Bedrockなどの経由では使えない
- マイクがある手元のマシンで動かしていること。SSHでつないだ先や、クラウドのセッションでは使えない
- 15秒話さないか、合わせて2分たつと録音が止まる
- 録音した声はAnthropicのサーバーに送られて文字になる。手元のマシンの中では処理されない
VS Codeの拡張機能でも音声入力は使えますが、VS Code Remoteでつないでいるときは使えません。
返事を声で読み上げる機能は、Claude Codeにはありません。読み上げたい場合は、後で紹介するhooksを使います。
Codexの音声会話
Codex CLIの /voice は、話しかけるとCodexが声で答える音声会話です。OpenAIのコマンドの説明には、使える版とセッションであれば、/voice かF8キーで始めたり止めたりできると書かれています。
手元のCodex CLI 0.166.0で /voice の使い方を表示すると、/voice [settings|mute|stop] と出ます。
| 打つもの | すること |
|---|---|
/voice | 音声会話を始める、止める |
/voice mute | マイクを切る、戻す |
/voice stop | 音声会話を終える |
/voice settings | 声の種類、マイクとスピーカー、入力のチャンネルを選ぶ |
/voice settings で変えた内容は、次に始める音声会話から使われます。マイクとスピーカーを選べるようになったのは10月7日の0.161.0からで、10月15日の0.163.0では、マイクを切るキーがF9に移りました(リリースノート)。
/voice settings には、Claude Codeのような言語を選ぶ項目はありません。ドキュメントにも日本語に対応しているかは書かれていないので、使う前に短い指示で試してください。
ChatGPTのデスクトップアプリの音声
ChatGPTのデスクトップアプリの中でCodexを使っている場合は、アプリの音声チャットで話しかけられます。OpenAIの説明によると、使えるのはPlus、Pro、Business、Edu、Enterpriseのプランです。
タスクの画面で「Start voice chat」を選ぶと始まり、返事の途中で話しかけて止めることもできます。始めるキーは「Settings > Voice > Voice chat hotkey」で決めます。同じアプリの中で同時に使える音声チャットは1つだけです。
指示を声で書ければ十分で、返事は読めばよい場合は、同じアプリの音声入力を使います。話した言葉が入力欄に入り、直してから送れます。
音声入力アプリとOSの音声入力
Aqua VoiceやSuperwhisperのような音声入力アプリと、OSの音声入力は、どのアプリの入力欄にも文字を書き込めます。Claude CodeやCodexの機能とは別に動くので、次の場合に役立ちます。
- SSHでつないだ先のClaude Codeに、声で指示したい
- APIキーでClaude Codeを使っていて、
/voiceが使えない - Claude CodeとCodexを並べて使っていて、同じ方法で話しかけたい
文字は手元のマシンで入力欄に書き込まれるので、ターミナルがSSHでつないだ先を開いていても届きます。
OSの音声入力は、Macならシステム設定のキーボードで、Windowsは Win+H で使えます。専用のアプリには、話した言葉を文章に整える機能を持つものもあります。料金と無料で使える量はアプリごとに違います。選ぶときは、各アプリの公式サイトで最新の料金を確かめてください。
Claude Codeの返事の読み上げ
Claude Codeには読み上げの機能がありませんが、返事が終わったときに動くhooks(Stop)を使えば、最後の返事を声で聞けます。
手元のClaude Code 2.1.319で試したところ、Stopのhooksに渡されるデータに、last_assistant_message として最後の返事の本文が入っていました。Macでは、これを say コマンドに渡すと読み上げられます。
{
"hooks": {
"Stop": [
{
"hooks": [
{
"type": "command",
"command": "jq -r '.last_assistant_message // empty' | cut -c1-200 | say"
}
]
}
]
}
}
cut -c1-200 は、読み上げる長さを200文字で切るためのものです。長い返事を全部読ませると、読み終わるまで次の指示を出せません。返事にコードや記号が多いと、記号もそのまま読まれます。
jq は、手元のmacOS 26には初めから入っていました。入っていない場合は brew install jq で入れます。
声を変えたいときは、say -v Kyoko のように声の名前を足します。使える日本語の声は say -v '?' | grep ja_JP で一覧でき、手元のMacではKyokoのほかに8つありました。
返事が終わったことさえわかればよい場合は、音とプロジェクト名で知らせる方法をClaude Codeの進捗を音と案件名で通知する記事で紹介しています。
使い方ごとの選び方
| 使い方 | 向いているもの |
|---|---|
| Claude Codeで、長い指示を声で書いて、直してから送りたい | Claude Codeの /voice |
| 画面を見ずに、声で相談しながら進めたい | Codex CLIの /voice |
| ChatGPTのアプリでCodexを使っている | アプリの音声チャット |
| SSHの先や、APIキーで使っているClaude Codeに声で指示したい | 音声入力アプリ、OSの音声入力 |
| Claude Codeの返事を耳で聞きたい | Stopのhooksと say |
Claude Codeを使っているなら、最初は /voice で足ります。language を日本語にしておけば、ほかに入れるものはありません。声で返事もほしくなったら、Stopのhooksで読み上げを足すか、その作業だけCodexの /voice に任せます。

