はじめに
WordPressの静的サイト化は、無料のプラグインでも始められます。ただし、プラグインの価格と、会社のホームページを移して運用できる状態にする費用は別に見積もります。フォームの置き換えやURLの維持、公開後の更新を依頼すれば、その作業費がかかります。
この記事では、2026年10月26日に確認した公式料金と移行サービスの公開価格を使って、費用の違いを整理します。掲載した他社価格は各サービスの条件付きの価格例です。市場全体の相場や、当社の料金を表すものではありません。
WordPress・PHPサイトの静的サイト化では、現在のページと機能、更新方法を確認したうえで移行内容をご相談いただけます。
移行方法ごとの費用
| 方法 | 初期にかかる費用 | 公開後に残る費用・作業 |
|---|---|---|
| 無料プラグイン | プラグインは無料。確認や移行を頼めば作業費 | 編集用WordPress、配信先、再出力とアップロード |
| 有料プラグイン | ライセンスと設定・移行の作業費 | ライセンス更新、編集元の保守、配信費 |
| 静的化SaaS | サービス利用料。移行支援の範囲は契約次第 | 月額・年額、容量や転送量等の追加費用 |
| 静的サイトへ再構築 | テンプレート制作、本文・画像の移行、機能の置き換え | 配信、更新依頼、CMS、必要な保守 |
サイト全体を作り直す場合は、HTMLを書き出す作業に加え、ページの組み立てや編集方法も変わります。同じ10ページでも、1種類のテンプレートを使い回せるサイトと、各ページに違う機能があるサイトでは作業量が違います。
ツールとサービスの公式料金
料金は通貨と請求周期を揃えて確認します。外貨建ての金額は円換算していません。税、為替、決済手数料、追加利用分は契約時に確認してください。
| 製品・プラン | 確認時点の価格 | 費用に含めて考えるもの |
|---|---|---|
| 無料 | ZIP等の出力。編集環境と公開先は別途用意 | |
| 年99米ドル/1サイト | プラグイン。編集用WordPressと配信先は別途 | |
| 月12米ドルから/1サイト | WordPressと静的サイトのホスティングを含む | |
| 無料 | プラグイン。編集環境と公開先は別途 | |
| 年90ユーロ/1サイト | 有料プラグイン。ホスティングは別途 | |
| 月払い 40米ドル/月。年払いは月額換算 32米ドル | 編集環境と配信。独自ドメイン対応 |
出典はSimply Staticの料金表、Staaticのセルフホスト料金表、Shifterの料金表です。Shifterは現行料金表に2026年4月からの改定を案内しています。旧ヘルプに残る料金と混同しないよう、申し込み画面の金額を確認します。
Simply Static Proの年99米ドルとStudioの月12米ドルを、そのまま安い順に並べることはできません。前者では編集用WordPressと配信先を別途用意するためです。今あるサーバーを継続するか、解約できるかまで含めて比べます。
製品の用途や無料範囲はWordPressのHTML変換ツール比較にまとめています。
移行代行の公開価格例
セルフプラスの移行サービスは、基本料金15万円と1ページ5,000円の合計で、税別の料金を案内しています。10ページの場合は20万円。GitHubと引継書を渡し、利用者がAIツールで更新する運用を説明しています。
anytoolsの静的化サービスでは、現状調査、方針の設計、移行、動作確認、更新方法の共有を含めて税抜30万円からと案内しています。公開後のサービス利用料は別途です。
この2例だけから、静的化は20万〜30万円が相場だとは言えません。対象ページ、機能、更新方法、デザインの扱いが異なります。見積もりを取るときは、次の項目を同じ条件に揃えて比較します。
見積もりで差が出る項目
ページと画像の量
会社案内の固定ページだけか、過去のお知らせを何百本も移すか。カテゴリ一覧、ページ送り、PDF、画像の大きさも確認対象です。不要な記事を整理する作業を自社と制作会社のどちらが担当するかでも費用は変わります。
フォーム・検索・会員機能
静的HTMLにフォームの見た目が残っても、送信先まで引き継げるとは限りません。外部フォームへの変更、メール通知、迷惑送信対策、確認画面の再現をどこまで行うか決めます。
会員ログインや決済が必要なら、別サービスへ分ける費用も検討します。静的化を優先して、業務に必要な機能を落とす見積もりにはしないでください。
URLと検索流入の引き継ぎ
既存URLを保てるか、変えるページには転送が必要か。ページ名だけでなく、画像やPDFのリンクも確認します。GoogleはURLが変わる移行について、URL対応表と永続的な転送などの手順を案内しています。
検索順位の維持を保証する作業ではありません。どの情報を引き継ぎ、公開後に何を確認するかを見積もりへ書いてもらいます。
更新画面と引き継ぎ
HTMLファイルを納品するだけか、担当者が管理画面で記事を追加できるところまで作るか。CMSの接続、操作説明、手順書、公開後の問い合わせ対応は、別項目になっていることがあります。
社内で更新する予定なら、更新方法の比較を先に確認してください。担当者が使わない編集画面を付けても、利用料と管理対象が増えます。
初期費用と年間費用の比較方法
社内比較には、初年度と翌年以降を分けた表を使います。
| 項目 | 今のWordPress | 移行後 |
|---|---|---|
| 初期作業 | 今後予定している改修費 | 移行・再構築・引き継ぎ費 |
| 固定費 | サーバー、ドメイン、有料プラグイン、保守契約 | 配信、ドメイン、CMS、ライセンス、保守契約 |
| 更新費 | 更新代行費と社内作業時間 | 更新代行費と社内作業時間 |
| 追加作業 | 機能追加や大きな改修 | フォーム、検索、編集機能などの追加 |
初年度は、移行費に12か月分の運用費と年間の更新費を足します。翌年以降は移行費を外し、継続する費用を比べます。社内作業は時間で記録し、金額に換算する場合は同じ単価を使います。
例えば、移行費30万円、移行後に減る費用が月1万円なら、単純計算では30か月で同額になります。これは計算方法を示す仮の条件です。実際にはCMS等の追加費用と更新作業の増減を差し引きます。契約が残る編集用サーバーや、同じサーバーで使っているメールも忘れずに確認してください。
相談前にまとめる情報
見積もりを依頼するときは、サイトURLに加えて、次の内容を伝えると作業範囲を揃えやすくなります。
- 移したいページと、残す必要がないページ
- フォーム、検索、予約、会員、決済などの機能
- 月の更新回数と、更新を担当する人
- デザインとURLをどこまで維持したいか
- 現在のサーバー、CMS、保守契約の年間費用
- 公開希望時期と、移行後のサポート範囲
すべての機能名が分からなくても、普段の更新作業と使っているページを伝えれば調査を始められます。HTML出力を試してから判断したい場合は、Simply Staticの使い方を参照してください。
Xでフォローするお問い合わせ
